訪問介護でできること・できないこと|生活援助の範囲と、対象外になる行為
「ついでにこれもお願いできる?」──訪問介護の現場で、利用者やご家族から頼まれて迷う場面は少なくありません。訪問介護の生活援助は「本人の日常生活の援助」に限られます。ここでは、できること・できないことの線引きを整理します。
生活援助は「本人の日常生活の援助」
訪問介護の生活援助は、掃除・洗濯・調理・買い物など、利用者本人の日常生活を支える家事の援助です。国が示す「老計第10号」に、サービス行為ごとの区分の考え方が整理されています。あくまで「本人のための、日常的な家事」が対象という点が出発点です。
対象にならない代表的な行為
次のような行為は、生活援助の対象になりません。大きく分けると「本人の日常生活の援助に属しないもの」と「家族の利便のためのもの」です。
- 主に家族のための家事(家族の食事づくり、家族の衣類の洗濯など)。
- 日常の家事の範囲を超える作業(大掃除、床のワックスがけ、窓のガラス磨きなど)。
- 庭の草むしり・水やり、花木の手入れなど。
- 来客の応接、ペットの世話。
- 正月・節句など特別な手間をかけた調理。
- 商品の販売や農作業など、生業を援助する行為。
- 医療行為(医療の資格を要する行為。喀痰吸引等は所定の研修・登録が別途必要です)。
断るのではなく「なぜできないか」を伝える
対象外の依頼を受けたときは、ただ断るのではなく、「介護保険の生活援助は、本人の日常生活を支える家事に限られている」という制度の背景をやさしく伝えると、利用者・家族の納得につながります。必要であれば、ケアマネジャーを通じて、保険外サービスや他の選択肢を一緒に考えることもできます。
まとめ|「本人の・日常の家事か」を線引きの軸に
訪問介護の生活援助は、本人の日常生活の援助に限られ、家族のための家事や、専門的・非日常的な作業は対象外です。迷ったときは「これは本人のための、日常的な家事か」を軸に考えます。線引きは自治体の解釈にもよるため、判断に迷うときはケアマネジャー・保険者に確認しましょう。なお、身体介護と生活援助の区分の考え方は、別記事「身体介護と生活援助の違い」でも解説しています。
よくある質問
家族の食事づくりや草むしりを頼まれたら対応できますか?
できません。生活援助は本人の日常生活の援助に限られ、主に家族のための家事(家族の食事づくり・洗濯など)や、庭の草むしり・水やりなどは対象外です。大掃除や窓のガラス磨きなど、日常の家事の範囲を超える作業も対象になりません。
対象外の依頼を受けたときは、どう対応すればよいですか?
ただ断るのではなく、「介護保険の生活援助は、本人の日常生活を支える家事に限られている」という制度の背景をやさしく伝えます。必要であれば、ケアマネジャーを通じて保険外サービスなど他の選択肢を一緒に考えることもできます。
提供する援助を、計画書に整理して残す
生活課題・目標・サービス内容(身体介護/生活援助)を選ぶと、訪問介護計画書の下書きが生成されます。何を援助するのかを、目標とあわせて明確に残すときの土台としてお使いいただけます。